体重の数字に振り回されない、「変化を感じる」健康チェックのすすめ

生活習慣編

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生活習慣編

「毎日体重をチェックしているけど、なかなか減らない」
体重を測るたびにため息をつき、ダイエットを続ける気持ちも起こらない・・・、なんて経験はありませんか?
数字や結果が毎日のストレスになってしまっては本末転倒です。
今回は体重との向き合い方や、体重以外の体の変化に目を向けるポイントなど、数字に捉われず、ダイエットや健康管理を進める方法をご紹介します。

体重だけじゃない!体の変化に目を向けよう

数字ばかりに目が行くと、ダイエットは続かない?

体重は時間帯やその日の状況によって変動するものです。
「昨日より100g増えた」
「朝は100g減った」
と日々の数字に振り回されていても、日単位での短い期間では脂肪自体の増減はさほどありません。

 

◎体重に影響を与える要因

・食事量や塩分量:塩分が多いと水分を抱え込んで体重が増えることがあります。
・体重を測ったタイミング:食事後、寝る前、起きた後などで体重が1~2kg変動することがあります。
・お酒やお茶、コーヒーの飲み過ぎ:利尿作用で一時的に体の水分が抜け、体重が減ることがあります。
・排便状況:便秘などで便をため込んでいると体重が増えることがあります。
・汗をかいた後:運動やサウナの後などは体の水分が抜けて体重が減りやすいです。

さらに、女性の場合はホルモンバランスも関係し、生理前後、排卵日前後は水分を抱え込むので体重が増えることがあります。

「数字を減らすこと」を目的にすると、日々の増えた、減ったに振り回されて、ちょっとの体重増でも「失敗」と感じ、挫折しやすくなってしまいます。また、必要な食事を無理に減らし、一時的に体重を落としたとしても、体は不足した栄養を取り戻そうと強い食欲を引き起こし、リバウンドにつながりやすくなってしまうこともあります。

 

 

 

数字に捉われず、変化に目を向けてダイエットを続けていくために

体重減少を目標にするのではなく、行動の継続を目標にできると、自然と結果がついてきます。
ダイエットや健康管理を始める時は、まずは「続けていく」こと自体を「成功」と捉えてみましょう。

【ポイント1】目的は「痩せること」よりも「生活を変えること」

体重という数値は日々変動するので、数字に捉われ過ぎると、どうしても短期的に考えがちです。
体は一時的な食事制限や運動で劇的に変わるものでもないので、「体重を減らす」ことよりも「生活習慣を変える」ことがとても大切です。

【ポイント2】毎日の「小さな成功体験」とその記録

「体重を減らすためには仕方ない…」とやりたくないことをイヤイヤやれば、ストレスも多く、挫折しやすくなります。
まずは、行動に目を向け、毎日の「できた」を実感してみましょう。
「エスカレーターじゃなく、階段を使った!」
「寝る前にストレッチが続いている!」
そういった、「自分にもできる」という実感(自己効力感)が大きくなってくると、楽しみながらチャレンジできるようになります。

そして、毎日の「できた」ことをスマホやノートなどに記録しましょう。
記録して、その「足あと」を振り返ってみる、その継続がダイエットの成功につながっていきます。

【ポイント3】「体重」は体が変わっていくひとつの目安

減っていないから上手く進んでいない、訳ではありません。
例えば週1回の体重チェックを通して、毎日の行動を振り返る、くらいで捉えてみるのも、ストレスなくダイエットを進めるやり方です。

 

 

成果を見逃さない、体重以外の変化の視点

数字がなくても「いつもより楽になった」「見た目が変わった」「気分がいい」と感じたならば、それは大事な健康のサイン。
体重が減っていなくても、体重計で数値を計測していなくても、こんな変化がありませんか?

◎見た目の変化

服のフィット感:ズボンやスカートがゆるくなった。ベルトの穴の位置が変わった。
鏡でのチェック:お腹まわりや顔まわりがすっきりしてきた。

◎動きやすさ・体力の変化

階段の上り下り:前より息切れが少ない、足が軽い。
歩くスピードや時間:以前の自分と比べて速く歩いている実感がある。長く歩いても疲れにくくなった。
立つ・しゃがむ動作:立ち上がったり、しゃがんだりする動作が楽になった。

◎日常生活での体のサイン

朝の目覚め:すっきり起きられるようになった。
日中の疲れやすさ:午後の眠気やだるさが少なくなった。
夜の眠り:すぐに寝つける。夜中に目が覚めない。

◎気分や心の変化

イライラの減少:少し穏やかに過ごせるようになった。
集中力:仕事や家事に集中できる時間が増えた。

こうした「感覚的な変化」は、体が確実に良い方向に向かっている嬉しい印です!
体重を測らなくても、なんとなく「変わってきた」と思える自分のセンサーを磨くことがとても大切です。

 

 

まとめ

体重は日々の変動であり、絶対的な結果ではありません。
「ちょっと増えた日があってもOK」と思える「ゆるい心」が成功のカギ!
数字に捉われず、継続していく行動の先に、本当の「ダイエット」の成果が見えてきます。
日々の小さな体の変化や心地よさに目を向け、焦らず進めていきましょう。

【参考文献】
大学病院・肥満外来の教授が教える1日だけダイエット/木村穣/文響社

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