牛乳やヨーグルト・チーズなどの乳製品といえば、カルシウムが多くて骨にいい、健康のために毎日とった方がいいなどのイメージがある一方で、最近ではとり過ぎを気にする声も聞こえてきます。
今回は、健康効果の可能性を秘めた牛乳や乳製品について、メリット・デメリットをふまえ、上手く食生活に取り入れるヒントをご紹介いたします。
おさえておきたい、牛乳・乳製品のメリットとその注意点。
カルシウムが多いだけじゃない!魅力的な3つのメリット
その1:質の良いタンパク質を含む
牛乳・乳製品に含まれるタンパク質は、肉や魚や卵と同じく動物性のタンパク質。
動物性のタンパク質には、体内で作ることができない必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
アミノ酸バランスが良いと、体内で効率よくタンパク質が合成され、筋肉や臓器、皮膚、髪の成分、体内ホルモンや免疫物質などの材料となり、カラダを健康に保つのにおおきく役立ちます。
また、しっかりタンパク質をとることで、満腹感が得られ無駄な食欲を抑える、運動後の筋肉の修復と回復を促すなどの嬉しい効果も。
その2:カルシウムの”吸収率”が高い
カルシウムの体内への吸収率、実は食べ物の種類によって異なります!
牛乳・乳製品にはカルシウムが多く含まれることはよく知られていますが、吸収率も約40%と他の食品に比べて高いのが特徴です。(小魚:約30%、緑黄色野菜:約18%)
骨は、いくつになっても毎日少しずつ作り変えられるため、カルシウムを効率よくとり入れるためにも吸収率のよい食材を選びたいですね。
また、カルシウムの摂取が少ないと、高血圧や脳卒中の発症が増えたという研究結果もあるように、疾病予防の観点からもカルシウムをしっかりとることが大切です。
その3:メタボ対策や睡眠の改善にもよい働きが期待!?
食事に含まれるカルシウム・ビタミンDの摂取量が多いと、メタボリックシンドロームになる率が低くなる可能性が知られるなど、メタボと牛乳・乳製品の関係が注目されています。
また、別の研究では、必須アミノ酸の1つであるトリプトファンを含む牛乳・乳製品は、朝の習慣的な摂取により睡眠の質を改善する可能性があることも考えられるようになるなど、様々な健康効果が期待されているのです!
上手にとり入れるために、知っておきたい牛乳の注意点とは?
◎脂質が多い
牛乳や乳製品に多く含まれる脂質は、とり過ぎると悪玉コレステロール(LDL)を増やし、動脈硬化(血管がもろく詰まりやすい状態)につながりやすくなってしまいます。
乳製品や乳製品を含む食品 | 脂質の含有量 |
---|---|
牛乳 コップ1杯 | 8g |
ヨーグルト 小1カップ | 3g |
6Pチーズ 1個 | 5g |
バター 10g | 8g |
シュークリーム 1個 | 15g |
アイスクリーム 1カップ | 15g |
デニッシュパン 1個 | 20g |
※脂質目安量:1日2000kcal必要な人では、1食あたり約18g
特に、脂肪分が多いバターや生クリームを使った洋菓子や菓子パン類は普段からできるだけ控えたいですね。
◎お腹を壊しやすい(乳糖不耐症の場合)
牛乳に含まれる乳糖を上手く消化できずに、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする…という方もいますね。
冷たい牛乳は避け温めて飲むことや、ヨーグルトなら大丈夫、というケースもあるため、自分の体質に合わせて選択する必要があります。(無理におススメするものではありません)
メリットを活かす!牛乳・乳製品の賢いとり入れ方
1日の適量はどれくらい?
普段の食事や間食の中には、意外と多くの脂質が含まれています。それに加えてパンにバターをたっぷり塗ったり、牛乳を何杯も飲んだり、乳製品を重ねて食べたりしていては、脂質のとり過ぎになってしまいます。(乳脂肪のとり過ぎはコレステロール値を高める恐れがあります!)
牛乳コップ1杯(200ml)、ヨーグルトなら小カップ1個(100g)、プロセスチーズであれば1〜2個(20g)程度を1日の目安とし、牛乳や乳製品をいくつか組み合わせてとるのであれば、半量ずつにするなど量の調整をしてみましょう。
また、日頃から低脂肪や無脂肪タイプを活用するのも1つの手です。脂質を抑えるだけでなく、カルシウムやタンパク質などの栄養素は減らすことなくしっかりとり入れることができます。
始めはここから!上手に乳製品をとり入れてみるなら。
普段、乳製品にあまり縁のない方でしたら、まずヨーグルトから始めてみるのがおススメ!
ヨーグルトは、他の乳製品に比べて1食分の脂肪分が少ないだけでなく、ビフィズス菌や乳酸菌を含んでいるので、腸内環境を整える効果が期待できます。
腸内環境の改善は、おなかの調子を整えるだけでなく免疫機能を高めることにもつながります。
もちろん、カルシウムや良質なタンパク質をとることが目的であれば、牛乳やチーズも良いですが、特にチーズは塩分が多いため頻度や量を調整しましょう。
まとめ
牛乳・乳製品は、健康のために必要な食品である反面、とり方を間違えれば健康を損なう可能性があるのも事実!
適量をコントロールして毎日の食生活に取り入れたいですね。
【参照文献】
・七訂 食品成分表
・牛乳に備わる健康機能 一般社団法人Jミルク
https://www.j-milk.jp/findnew/chapter4/0301.html
・メタボリックにさようなら 一般社団法人Jミルク
https://www.j-milk.jp/knowledge/nutrition/hn0mvm0000005x69.html