「骨粗しょう症」と聞くと「まさか自分が」とか「高齢者の病気」などと思うのではないでしょうか。
最近では10代の若者でも骨の健康が維持できず、骨折しやすくなっている、と言われています。
ちょっとした運動で骨折になってしまった…ということがないように骨を丈夫にするための骨活(ほねかつ)に取り組んでみましょう!
骨の健康 今から対策!骨活のススメ
骨粗しょう症って何?
「骨粗しょう症」とは、骨がスカスカになって骨折しやすい状態になってしまう病気です。
特に加齢による骨密度※の低下は、(個人差はありますが)誰にでも起こり、さらに自覚がないまま進行するので「沈黙の病気」と呼ばれることも。
高齢者だけではなく、生活習慣の乱れ(栄養不足や運動不足)も原因となって、例えば過度なダイエット経験のある若い女性や、デスクワークなどあまり日光を浴びない人などにも症状が現れやすいことが知られています。また、女性ホルモンは骨づくりにもかかわっているので、閉経後の女性は同年代の男性の3倍リスクが上がるとも言われます。
※骨密度:骨を構成するカルシウムなどのミネラル成分がどれほど詰まっているかを示す密度のこと
骨を丈夫に維持していくために
骨はカルシウムなどのミネラル類とコラーゲンでつくられていて、古くなって壊れたり、新しくつくられたりしながら、全身の骨は約3~5年のサイクルで入れ替わっています。古くなった骨は弾力性や丈夫さが失われてしまいます。
実は骨の強さは骨密度だけでなく、骨の性質(骨質)を決めるコラーゲン繊維自体の質も大いに関係しているので、同じ骨密度でも骨折しやすい人としづらい人がいるのです。ビルに例えるなら「コラーゲン繊維」が柱(骨質)で、「カルシウム」はコンクリート(骨密度)のイメージとも言えます。
骨の生まれ変わりが滞りなく行われ、かつ丈夫な骨を維持していくためにも、骨づくりの材料となる栄養素や骨づくりをサポートする栄養素をしっかりと補給することや適度な運動をとり入れた生活が大切になるのです。
骨を丈夫に保つためにとりたい食品4選!
1. 牛乳などの乳製品、豆腐、ひじき、小魚など:
骨の主成分になるカルシウムが豊富!
2. 鮭やきのこ類(特に干したものがグッド!):
カルシムの吸収をサポートするビタミンDが豊富!
3. 海藻類、ナッツ類:
骨の中に入るカルシウムの量を適度に調整するマグネシウムが豊富!
4. 納豆、ブロッコリー、海藻類:
骨の質を高めるコラーゲンを増やすビタミンKが豊富!
食べすぎに注意したい食品は?
・インスタント食品、スナック菓子、練り物製品などの食品はカルシウムの吸収を悪くするリンが多く含まれています。
・塩(塩分の多い食事)はカルシウムを出しやすくするナトリウムが多く含まれます。
・コーヒーや紅茶などカフェインの多い飲み物はカルシウムの吸収を悪くすることがあります。
・アルコールの飲みすぎはカルシウムの吸収を悪くするだけでなく、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDの働きも悪くしてしまいます。
いくら骨活にいいからといって、限られた食品ばかりに偏った食べ方をするのは本末転倒です。
色々な食材をバランスよく食べるようにしましょう。
食事以外で「骨活」に大切なこと
乳製品や小魚など、カルシウムが豊富な食べ物をしっかりと補給しておけば大丈夫!という訳ではありません。食事以外で骨を強くするために意識したいことをご紹介いたします。
〇日光浴
カルシウムの吸収をサポートするビタミンDは、太陽にあたることで体の中でつくられます。とはいえ、紫外線を浴びすぎるとシミ、そばかす、皮膚がんのリスクにもつながるので浴びすぎにも注意。夏なら15~30分で充分と言われています。
〇運動
骨は運動などの負荷をかけると強くなり、逆に負荷がないと骨密度が低くなることが知られています。
骨に刺激を与えることで骨密度が高まるため、バレーボール、バスケなど着地した時の振動があるようなスポーツがより良いとされています。水泳などの浮力があるものより、ウォーキングや踏み台昇降運動など、ある程度重力が影響をする中での運動がおススメです。
〇良質な睡眠
骨の成長と修復には、睡眠時の成長ホルモンも大切です。大人になっても成長ホルモンは出ています。夜更かしをせず、できるだけ早めの就寝を心がけましょう。
まとめ
年をとってから骨密度を上げていくのは、若い時に比べれば、なかなか難しいところも増えてしまいます。
大切なのは「今」からできることをやっていくこと。
早め早めの意識で健康な骨を築いていきましょう。
【参考文献】
・eヘルスネット/厚生労働省/骨粗鬆症
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-043.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-027.html
・骨粗鬆症の予防とガイドライン 2015年版/日本骨粗鬆症学会、日本骨代謝学会、骨粗鬆症財団
http://jsbmr.umin.jp/pdf/GL2015.pdf
・骨粗鬆症財団(骨粗鬆症における栄養)https://www.jpof.or.jp/osteoporosis/nutrition/tabid257.html