意識していますか?口腔ケアで健康づくり

その他生活習慣編

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その他

健康づくりというと「食事改善」や「運動」を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。
近年ではそれに加えて、歯磨きなどでお口の中を清潔に保つ口腔(こうくう)ケアが、健康づくりの点から大きく注目されるようになっています。
お口の中の「コンディション」と私たちの健康について詳しくみていきましょう。

口腔ケアで健康!お口の中を清潔に。

歯磨きを怠るとお口の中の悪玉菌が増加?

お口の中には数百種以上の細菌がいると言われていて、腸内と同じく善玉菌と悪玉菌が存在しています。
歯磨きなどを怠ってお口の中の環境が悪化してしまうと、虫歯菌歯周病菌といった悪玉菌が活発に活動し、虫歯や口臭の原因となってしまいます。
時にはお口の中の悪玉菌が食べ物や唾液と一緒に腸まで運ばれて腸内環境のバランスが崩れ、便秘や下痢などお腹の不調、免疫力の低下や肥満など、様々なかたちで体に悪い影響をもたらしてしまうこともあるのです。

肥満を招く行動がお口の環境悪化につながるかも?

日本歯周病学会からは、肥満の人は歯周病(虫歯)になりやすく、歯周病(虫歯)のある人は肥満になりやすい傾向があるという研究が発表されています。
肥満を招きやすい食習慣を見直すことは、お口の中の健康にもメリットがあるのです。

 

その1 炭水化物の食べ過ぎ

丼もの、麺類など炭水化物に偏った食事や、ラーメン&セット炒飯などの炭水化物の重ね食べは、食後の高血糖を引き起こしやすい食べ方です。それによって内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から炎症物質が多く出て、それが歯周病の原因となってしまうこともあるのです。

その2 早食い

唾液には虫歯菌の働きを抑える天然の抗菌作用が備わっています。早食いだと噛む回数が少ないことから唾液の分泌も少なくなり、歯の汚れを洗浄し虫歯菌の働きを抑える唾液の働きが十分でなくなってしまいます。

その3 だらだら食べ

お口は、食べ物が入っている間は酸性となり、虫歯菌の活動が活発な環境になります。
反対に食べ物が入っていない状態を一定時間保つことで唾液の作用によって中性に戻ります。
食べる時間を決めずに長時間食べ続ける「だらだら食べ」は、常にお口が酸性に保たれ、なかなか中性には戻れずに虫歯リスクが上がってしまう食べ方なのです。

 

正しい歯磨きのやり方

口腔ケアは、お口の中を清潔にするだけでなく、歯や口腔内の病気を予防し、噛んだり、飲んだり、味わったりという、お口の本来の機能を維持します。
健康づくりという視点からも、お口の中の悪玉菌を増やさないようにキレイに保つことが大切!
意外と磨けていないことが多いので、正しい方法を身につけましょう。

効果を上げる「歯磨き」のコツ、7つのポイント
1.歯ブラシは鉛筆持ち
2.歯と歯茎の境目もしっかり磨く(毛先を斜め45度にあてましょう)
3.軽い力で小刻みに動かす(歯ブラシの毛先が広がらない強さを意識!)
4.食後30分は避ける(歯のエナメルが傷つきやすいので)
5.歯間ブラシやデンタルフロスも活用(歯垢の除去率がUP!)
6.歯磨き時間の目安は最低3分(寝る前は特に丁寧に)
7.歯ブラシは毛先が開く前に交換(毛先が開くと歯垢除去率が下がります)

 

歯磨きだけじゃない、舌磨きがもたらすメリット

舌の表面についた白い汚れのようなもの。
これは、古くなったお口の中の粘膜や細菌、食べカスなどが付着したものです。
口呼吸、ストレス、間食が多いなどの習慣がある人は汚れがつきやすいので、適度なお掃除は口臭や歯周病の予防につながります。
また、舌に汚れがたまってくると味覚が鈍感になって(薄味では満足できなくなって)、濃い味や油っぽい食べものを好むようになり、肥満や塩分のとり過ぎが心配されます。濃い味の食事を好むようになったら、一度舌のお掃除を試してみましょう。

舌を痛めない正しい舌磨きの基本

1.専用の舌ブラシを使う(歯ブラシを使うと舌の表面を傷つけるのでやめましょう)
2.なでるようにやさしく舌の奥から手前に動かす(磨きすぎも傷つける原因に)
3.1日1回まで。(起床後がおススメです)

【 要注意 】
くれぐれもやりすぎは禁物です。 口臭を悪化させ、味覚障害になる危険性もあるので、注意しましょう。

◎取れない歯石は歯医者さんへ
自分では取れきれない歯石はやはり歯医者さんにお任せしましょう。自身で行う日々の口腔ケアと合わせ定期的にみてもらうことで、より効果的にお口の中をキレイに保つことができます。

 

まとめ

お口の中を清潔に保つことは健康づくりと密接に関係しています。食事をした後の食器を洗うのと同じで、食事をした後はお口の中をキレイにすること、意識できるようになると良いですね。

【参考文献】
・保健リソースガイド(歯磨きで口の中を清潔に保つことが腸の病気の予防につながる)
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2017/006871.php
・日本歯周病学会(歯周病患者における肥満およびその他の生活習慣と歯周病の関連性)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/amjsp/2008s/0/2008s_0_92/_article/-char/ja/
・口腔衛生学会雑誌/73巻(2023)1号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jdh/73/1/73_42/_article/-char/ja/

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