疲れスッキリ!クエン酸が効く理由

食事編

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食事編

「なんだか最近、疲れが取れにくい…」
そんな時、レモンや梅干しなど酸っぱいものが欲しくなったことはありませんか?
実はそれ、“クエン酸”を体が求めているサインかもしれません。

今回は、クエン酸の疲労回復についての働きと効果的な取り入れ方について、詳しくみていきましょう。

酸っぱいが効く!疲労回復にクエン酸

クエン酸って何?

クエン酸は、レモンやライム、梅干しなどに含まれる“酸っぱい成分”です。
この酸味の元であるクエン酸には、食べ物からエネルギーを生み出す働きをサポートし、疲れた体を元気にしてくれる働きがあります。

「疲れ」を感じる原因

「疲れた」と感じる時、実は体の中ではさまざまな要因が重なっています。

  • 糖や脂肪をうまくエネルギーに変えられない「エネルギー不足
  • 激しい活動やストレスなどで細胞がダメージを受けて「酸化ストレスや炎症」が起きている
  • 神経やホルモンのバランスが崩れる」ことで全身に疲れを感じやすくなる

さらに、睡眠の質の低下や、ミネラル・ビタミン不足などの栄養バランスの乱れも、慢性的な疲れの原因に。
心の疲れが体に影響する精神的ストレスも見逃せません。
こうした複数の要因が重なることで、「なんとなく疲れが抜けない」という状態が続いてしまうのです。

 

 

肉体的な疲れには「クエン酸」

活発に体を使ったことで起きるエネルギー不足、そんな時にはクエン酸が大変役立ちます。
クエン酸は、体の中で「クエン酸回路」と呼ばれるエネルギーを生み出す仕組みの中心です。
この回路がスムーズに回っていると、食べたものがしっかりエネルギーに変換され、主に以下のような肉体的疲労の改善が期待できます。

・筋肉のだるさ、重さ
・運動後の疲労感
・体が回復しにくい時の倦怠感
・細胞のダメージ(酸化ストレス)による慢性的な疲れ

さらに、かつては「疲労物質」とされていた乳酸も、今ではエネルギー源として再利用できると考えられるようになりました。クエン酸が働くことで乳酸が再びエネルギーに変えられ、結果的に疲労感の回復をサポートしてくれるのです。

加えて、クエン酸はカルシウムやマグネシウムといったミネラルの吸収を助ける働きもあります。これらのミネラルは神経や筋肉の働きに欠かせないため、疲労予防においても重要です。

クエン酸は主に肉体的な疲労に効果が期待されますが、血流改善や抗酸化作用を通じて、間接的に脳の疲れやストレスの緩和にも役立つと考えられています。

 

【クエン酸を多く含む代表的な食材例】
・柑橘類:レモン、ライム、すだち、シークワーサーなど
・野菜、果物:梅干し、キウイ、いちご、ミニトマト
※酢も酸っぱいですが、主成分は「酢酸」でクエン酸とは異なる働きをします。

 

 

食べるタイミングは?効果的な取り入れ方

肉体的な疲労回復に有効なクエン酸の摂取量は2~3g/日と言われています。体内にためておけないため、1日3〜4回を目安に、こまめに補給するのが理想的。
クエン酸には食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるので、食事のタイミングに合わせて取り入れると良いでしょう。また、運動前に補給できると、エネルギーづくりを助けるだけでなく、運動後の疲労物質の蓄積を防ぎ、回復も早まります。

手軽にクエン酸補給!毎日のポイントは?

◎3食の食事にプラス
柑橘類に多く含まれているので、炭酸水に果汁を加えるだけでも手軽に取り入れられます。サラダのドレッシングにひと足しすれば、香りも引き立って一石二鳥です。

◎コンビニやスーパーで補給できるアイテム
おにぎりの具を梅干しにしたり、デザートにカットフルーツを選んだりするのもおすすめです。市販のクエン酸入りのお菓子やドリンク、機能性表示食品などもあるので、時にはそういったものを試してみるのも良いですね。ただし、食べ過ぎには注意しましょう。

◎1日で2〜3gを目指す組み合わせ例
【パターン1】(合計:約2.15g
・朝:コップ一杯(200ml程度)のレモン水(レモン果汁小さじ1):0.45g
・昼:梅干しおにぎり1個:0.3g
・夜:キウイ1個:1g
・おやつ:いちご5粒=0.4g 

【パターン2】(合計:約2.6g
・レモン果汁大さじ2(約30g):約0.9g
・梅干し2粒:約0.6g
・グレープフルーツジュース100ml:約1.1g

 

 

まとめ

クエン酸は、疲れた体を内側からサポートしてくれる頼もしい存在です。
エネルギー代謝を助け、疲労物質の再利用を促し、美容や血糖値管理にも役立つなど、まさに“万能選手”。毎日の食事の中で、ちょっとした工夫で無理なく取り入れられるのも魅力のひとつです。
「なんとなく疲れが抜けないな」という日が続いたら是非試してみてください。

 

【参考文献】
・最新改訂版栄養成分バイブル/中村丁次監修/主婦と生活社
・eヘルスネット(厚生労働省)/有酸素性エネルギー代謝
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-02-001
・KAKEN/2型糖尿病治療薬メトホルミンと相互作用する食品成分の検討
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21K17645/
・農林水産省/香酸かんきつ
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1701/spe2_01.html

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