コレステロールと言えば“減らさなければいけない”悪者のイメージをもつ方も多いのではないでしょうか?
実は、コレステロールには減らす必要があるコレステロール(悪玉)と、増やした方がよいコレステロール(善玉)があるのです!
今回は善玉コレステロールに注目してみましょう。
そもそも善玉コレステロールって何?
健康診断の項目では、悪玉はLDLコレステロール、善玉はHDLコレステロールと示されています。
LDLコレステロール(悪玉)は体のすみずみまで運ばれて体の細胞を作る材料として使われますが、悪玉が多すぎると血管にたまって動脈硬化を進める原因になります。
一方のHDLコレステロール(善玉)は余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す良い働きがあるため、基準値より少ないと動脈硬化を引き起こす可能性もあるのです。
動脈硬化とは、血管が硬くもろくなってしまう状態で、心筋梗塞や脳卒中の原因にもなりかねないので、注意が必要です。
・LDLコレステロールが140㎎/dl以上(120~139㎎/dlでも境界域で注意が必要)
・HDLコレステロールが40㎎/dl未満
・中性脂肪値は150㎎/dl以上
とされています。
善玉(HDL)は40より少なくなると注意が必要ということで、健診結果でも間違えないように数値をみてください。
善玉コレステロールを増やすには?
善玉コレステロールを増やす【運動編】
「善玉コレステロールを増やすには」と考えるとまず食べ物に気をつけるのかな?と思ってしまいますが、実は運動による効果が大きいと言われています。
研究結果によると、1週間に合計120分間の運動を行うか、1週間に合計900kcalのエネルギーを消費する身体活動を行うことで、善玉コレステロールが増えるということが知られるようになりました。
では、具体的にどんな運動をどれくらい行えばよいのでしょうか?
やはり有酸素運動。
運動の種類としては、やはりウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動です。特に、ウォーキングはいつでもどこでも手軽にできるのでオススメです。
できれば、1日30分以上、週3日以上が理想的!
ですが、30分まとめて歩くことが難しい人は、通勤やお昼休みを利用して、1回10分程度を1日に何回か繰り返して歩いても良いですね。
歩く強度は、これから運動を始める人や、体力に自信の無い人は「かなり楽である」と感じる速さから始めて、徐々に「ややきつい」と感じる速さにしていきましょう。
「ややきつい」状態とは、例えば「いつもより速く歩いている、ちょっと息がはずむが笑顔を保てている、5分くらいで汗ばんでくる、10分間で軽くスネに疲労を感じる」などの状態です。
注)治療中の疾患がある人は、必ず主治医に相談した上で行ってください。
善玉コレステロールを増やす【その他編】
では、運動以外に必要なことはあるのでしょうか?
まずはタバコ。
まずはタバコです。喫煙習慣がある人は善玉コレステロールが低くなる傾向があります。
禁煙を目指しましょう。
あわせて中性脂肪。
また、血液中の中性脂肪値が高い人は善玉コレステロールが低くなる傾向があります。
中性脂肪は1回の食事量が多い、糖質のとり過ぎ、あぶらのとり過ぎ、アルコールの飲み過ぎなどといった食習慣はもちろん、運動不足などで高くなりがちです。
何が原因か見極めた上で、食生活の改善にも取り組むことが必要ですね。
善玉コレステロールを増やす【まとめ編】
・やはり「運動」
・加えて「禁煙」
・さらに「食生活の改善」
ローマは1日にしてならず、いずれも次の健診に向けて、今日から継続して取り組むことが大切です!
そして、健診や血液検査では悪玉コレステロールと善玉コレステロールどちらの数値も忘れずチェックしてくださいね。
【参照文献】
脂質異常症を改善するための運動
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-003.html
健康長寿ネット 脂質異常症を改善する運動療法
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenkou-undou/undou-shishitsu.html