これからウォーキング30分!
と・・その前に、ちょっと待ってください・・・いきなり歩き始めていませんか?
ウォーキングは誰でも手軽にできる運動というイメージのためか、ウォーミングアップ(準備体操)をせずに歩いてしまいがちです!
普段あまり運動に親しんでいない人が、急にはりきって準備体操もせずにいきなり長時間の運動を行うと、捻挫や膝痛、肉離れなど、思わぬケガにもつながりかねません。
(歩き出して数分でふくらはぎに激しい痛み、いわゆる「肉離れ」を起こしてしまっては運動どころではありませんね。)
そこで今回は、ウォーキングを安全かつ快適に行うための「ウォーミングアップ」をご紹介いたします!
ウォーミングアップはなぜ必要?
ウォーミングアップには、主に5つの効果があると言われています。
2. 筋温が上がることで、筋や腱を柔らかくすることができ、関節の動く範囲が大きくなる。
3. 神経の伝達をよくし、運動の準備状態に持っていくことができる。
4. 心拍数と呼吸数を徐々に増加させ、心臓や肺への急激な負担を減らす。
5. これから行う運動のイメージをつくり、心の準備をすることができる。
ウォーミングアップの方法
スポーツ選手は、競技やポジションによって、ウォーミングアップの方法も様々です。
例えば同じサッカー選手であっても、フォワードとゴールキーパーでは動きが大きく違いますね。
スポーツの現場ではそれらを考慮したウォーミングアップが行われます。
一般的なウォーミングアップには、主に次のような方法があります。
1)軽いほぐし
足首・手首まわし、腰まわし、膝の屈伸などが当てはまります。
2)全身運動
筋肉を温めるために、ジョギング、ランニングなどで全身を動かす。
3)スタティックストレッチ(静的ストレッチ)※
反動を使わず、無理のない程度に筋肉が伸ばされた状態を維持するストレッチ。
血行をよくして筋肉を温めたり、関節可動域を広げたりします。
※ウォーミングアップにスタティックストレッチを長時間行うと、その後に行う運動のパフォーマンスが低下するという報告もあるため、短時間(30秒未満程度)で行うのが良いとされる
4)ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)
体を動かしながら行うストレッチで、ラジオ体操などもこれにあてはまります。
肩甲骨まわりや股関節まわりなどを動かしながら、さらに関節可動域を広げましょう。
5)専門性のある動き
メインとなるそれぞれの種目に近づけた運動を行います。
実際にはこれらをうまく組み合わせてウォーミングアップを行っていくことになります。
軽やかに歩き出す!ウォーキングのウォーミングアップを実践!
ウォーキングの“歩く”という動作は、誰でも日常的に行っている動きですね。
難しい動きではないため、ウォーミングアップでは軽いほぐしやストレッチを行いましょう。
1.上半身全体
脚を肩幅に開いて立ち、手を頭の上で組む(手の平は下を向ける)。
ひじを伸ばして上に大きく伸びる(お腹や脇が引き延ばされるイメージ)。
一度力を抜いて手を下ろし、もう一度上に大きく伸びる。
そのまま上半身を少し右側に倒してキープする。
反対側も同様に行う。
2.肩まわり
両手を肩の上に置き、肘で大きく円を描くようにゆっくり肩を回す。
反対方向にも回す。
3.股関節~太もも内側
肩幅より少し広めに両足を開き、つま先を少し外側に向ける。
両膝を曲げて腰を落とし、膝の内側に両手を置く。
右手で膝を外に押し出すイメージで、右肩を内側に入れながら体をひねる。
反対側も同様に行う。
4.太もも後ろ側~ふくらはぎ
足を少し広めに前後に開く。
後ろ足のかかとが浮かないように、前足に体重をかける。
足を入れ替えて行う。
5.足首まわり
片足立ちの状態になり、つま先を上下左右に動かす。
足首を大きくゆっくり回す。
ストレッチは、どこの筋肉が伸びているかを確認しながら行うことが大切です。
1種目だいたい10秒~15秒くらいをめどに、気持ちよく行いましょう。
(注)呼吸を止めないこと、痛みを感じない程度に行う
まとめ
ウォーキングで効果を出すためには、長く続けて習慣にすることがポイント!
そのためにはケガを予防し、体への負担を減らすことが大切ですね。
今回ご紹介したウォーミングアップを習慣にして、ウォーキングを快適に続けましょう!
【参照文献】
健康長寿ネット ウォーミングアップの目的と方法
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/warming-up.html
ストレッチメソッド
近畿大学講師 谷本道哉 ・ 東京大学教授 石井直方 著