私たちの毎日は何らかのストレスとともに生きている、といっても過言ではないかもしれません。
ストレスは適度であれば成長を生む良い機会にもなりますが、大きなストレスからくる負担は体に不調をもたらしてしまうこともありますね。
ストレスと上手く付き合えるような、カラダにもココロにも優しい食事術、お伝えしたいと思います。
何を食べる?ストレスと上手く付き合う食事術
抗ストレスホルモンを味方につけるために注目したい、3つのポイント
その1)やっぱり避けたい「甘い食品」 疲れがとれないのは、副腎がお疲れかも
腎臓の上にあるというクルミくらいの大きさの小さな臓器が「副腎」です。
副腎は「コルチゾール」というストレス対策をするホルモンを出しています。
この副腎に大きな負担をかけてしまうのが、甘い物を食べた後などにおきる血糖値の急上昇と急降下。
まるでジェットコースターのような上がり下がりが行われると、副腎の働きが悪くなってしまいます。すると抗ストレスホルモンであるコルチゾールが減ってしまい、「慢性疲労」と呼ばれる、寝ても休んでも疲れがとれないという状態におちいりやすくなってしまうのです!
その2)たんぱく質はできれば生で食べる機会を!
感情をコントロールするホルモンの材料となるのが、「グルタミン、フェニルアラニン、トリプトファン」などのアミノ酸。これらはたんぱく質に多く含まれています。アミノ酸は加熱によって半減してしまうため、生卵、刺身など生で食べる食品はストレス対策におススメです。
たんぱく質を食べる目安は毎食手のひら(片手)に乗る程度。
食べ過ぎは他の臓器への負担になり、逆に体へのストレスへとつながるので注意しましょう。
その3)現代人には欠かせない!?ビタミンB群、ビタミンCの働き!
ストレスだけでなく、お酒を飲む人、喫煙、集中力が必要な仕事をしている人は、「ビタミンB群」や「ビタミンC」の消費が多くなってしまいます。セロトニンなど、気持ちを安定させるホルモンを上手くつくるためには、はこれらのビタミンたちのサポートが必須。
豚肉やレバー、野菜や果物などビタミンやミネラルをバランスよくとり入れるのがストレスに強くなるポイントとも言えます!
ストレスを抱えすぎないために。その食習慣、〇〇をとりすぎていませんか。
◎カフェインのとりすぎが疲労の原因となることも
コーヒーやエナジードリンクに多く含まれるカフェインは、交感神経を緊張させ、集中力アップの働きもありますが、軽い依存性があり、急にやめると、頭痛、集中力低下、疲労感などをもたらすことも。とりすぎは副腎に負担をかけ、慢性疲労の原因にもなってしまいます。
◎お酒の飲みすぎがもたらす体調不良
アルコールを分解する時には、ビタミンB1、マグネシウム、亜鉛などを使うため、飲酒習慣がある人はこれらのビタミン、ミネラルは足りない状態になりやすく、ストレスや疲労感の原因ともなります。
◎小麦(小麦グルテン)のとりすぎがもたらす体への負担
パン、うどんなどに含まれる小麦の糖質は血糖値の急上昇を引き起こします。甘い物同様に頻度や量に気を付けましょう。
◎ジャンクフードを食べすぎていると
ファストフードの揚げ物類や加工菓子(焼き菓子、スナック菓子等)、マーガリン等に含まれるトランス脂肪酸は人工的なアブラ。代謝(分解)されにくく、ビタミンやミネラルを必要以上に消費してしまいます!とりすぎると様々な病気のリスクを高めることからも、いわゆる「ジャンクフード」に偏った食生活は見直しが必要です。
こんな時には〇〇補給!ストレスを和らげるカラダづくりをすすめましょう
ストレスから無性に「○○が食べたい!」と思ってしまうこと、あるのではないでしょうか。
実はそれは、体の中で何か足りていない栄養素があることのサインかもしれません。
ストレスを和らげるためにも、まずはしっかりと体からのメッセージを受けとって、体調を整えていくことも大切ですね。(即効性はありませんので、徐々に改善していきましょう)
チョコレートが食べたい!と思ったら
マグネシウムが不足しているかもしれません。月経前の女性やアルコールをよく飲む人に多く、不足すると身体に栄養素が行き届かず、疲れやすくなります。
とにかく甘い物が食べたい!と思ったら
甘い物を欲しくなるのは糖分が不足していると考えがちですが、実はたんぱく質が不足していることも考えられます。それはセロトニンなどの脳内ホルモンは、たんぱく質(アミノ酸)を材料にしているから。
固い物(アメや氷)を無性にかみ砕きたいと思ったら
鉄分が不足しているかもしれません。髪の毛が抜けやすくなったり、爪が欠けやすくなったりするのも特徴のひとつです。
脂っこいものやジャンクフードが食べたい!と思ったら
ポテトチップスや唐揚げなど高カロリーなものが食べたい時はカリウム不足かもしれません。カリウムが不足していると排泄機能が弱まって、むくみの原因となることも。そもそも食欲に任せて食べてしまうと肥満へまっしぐらです!
まとめ
環境や生活習慣などが変化するだけでも、見えないストレスを抱えてしまうことがあります。ストレスを和らげる食事術を身に着けながら、カラダにもココロにも優しいストレスとの向き合い方、食生活の面からも整えていきましょう。
【参考文献】
・新・栄養医学ガイドブック/柏崎良子/株式会社ヨーゼフ
・食材別・症状別の大辞典 治す食事 患う食事/著:Reader’s Digesst編集部、監修:Fran Berkoff,RD Joe Schwarcz,PhD、監訳:溝口徹/医道の日本社・スタンフォードのストレスを力に変える教科書/ケリー・マクゴニガル、訳:神崎朗子/大和書房