「調子がいい!」と思えるベストな体重がわかっていても、それを維持するのはなかなか難しいことですね。
体重を気にしすぎるあまり、食事の量を減らし過ぎたり、極端なダイエットをしてリバウンドしてしまったり、ということはないでしょうか。
自分らしい健康的な体を維持できるよう、日々の食事の「たんぱく質」に注目してみましょう。
たんぱく質を活かす!カラダづくり・健康づくり
たんぱく質のお仕事と基礎代謝
たんぱく質は、筋肉をはじめとして、血管や内臓、皮膚や髪など、体の組織をつくる材料になっています。これらのパーツは毎日生まれかわっていくので、毎食ごとに補給する必要があります。
たんぱく質は分解されてアミノ酸として体に吸収されることで筋肉がつくられるスイッチが入りますが、減量を意識するあまり、食事の量やカロリーに目がいって必要なたんぱく質量まで減らしてしまうと、(筋肉の分解が始まって)筋肉量まで減ってしまうのです。
筋肉量が減ると1日の消費エネルギーの約60%を占めると言われる基礎代謝まで落ちてしまうため、かえって太りやすい(リバウンドしやすい)体になってしまうこともあります。
基礎代謝アップの視点から!たんぱく質、選ぶならどっち?
1.鶏むね肉(皮なし) VS 牛肩ロース
牛肩ロースはたんぱく質以外にも、脂を多く含むため、おススメは皮をとった鶏むね肉。
2.ゆで卵 VS 絹豆腐
卵は体に必要な栄養素をバランスよく含む優良食材!お豆腐は脂質の代謝を高めてくれますが、実はたんぱく質量は意外に少ないのです。
3.ハンバーグ VS ステーキ
たんぱく質は消化吸収に時間がかかるため、ひき肉のような形状のものが吸収されやすいのです!
基礎代謝アップという視点からたんぱく質を選ぶときには「低脂質・高たんぱく」が選択の基本!とはいっても、特定の食材に偏らず、広くバランスよく食べるこが大切です。ただし、ウィンナーやベーコンなどは手軽ですが、脂質が多くなるので注意しましょう。
どのたんぱく質?どんなたんぱく質?
たんぱく質には、肉や魚、卵や牛乳などの動物性のたんぱく質と、大豆や大豆製品などの植物性のたんぱく質があります。それぞれに優れた点と注意点がありますので、まずはその特徴から見ていくことにしましょう。
◎筋力アップや基礎代謝アップには「動物性たんぱく質」
動物性たんぱく質には必須アミノ酸(体の中で作ることができないアミノ酸)がバランスよく含まれているので、筋肉量を増加させる体づくりをしたい方にはおススメです。ただし、脂質も多くなるので食べ過ぎは注意。
◎体脂肪を減らしたいなら「植物性たんぱく質」
植物性たんぱく質は、脂質が少なく、脂肪燃焼を助ける働きがあるので、体を引き締めたい方にはおススメです。ただし、必須アミノの含有量が不足しているものもあり、吸収率も動物性に比べて低くなります。
色々な食材を組み合わせて、それぞれの優れた点を活かし、不足する部分を補い合うことで、より効果的で体に優しいたんぱく質の補給ができるでしょう。
目安量で1食分を把握しておこう
1食あたりのたんぱく質の量は多すぎても少なすぎてもいけないのが大切なところ。
成人では1食あたり20gのたんぱく質が必要とされています。
といっても毎回、たんぱく質量を確認しながら食べるのは面倒ですね。
まずは目安量やざっくりとした数値を知っておくと、だいたいの量が把握しやすくなりますので、代表的なところをピックアップしてご紹介いたします。
◎肉類や魚介類は毎食「片手のひら1つ分」を目安にしましょう。
片手のひら1つ分で、肉も魚も100ℊ前後の量となり、含まれるたんぱく質量はおおよそ16~20gとなりますので、これでだいたい1食分のたんぱく質を確保することができます。
※例えば上記を参考に、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質、それぞれ同じ量のものを1セットとしてルーティン化するのも効率的な方法のひとつです。
まとめ
せっかく体重を落とすことに成功しても、代謝が悪く、疲れやすくなってしまったら、本来めざしていた「健康的」な体とはかけ離れてしまします。
ちょっと体重が気になってきたら、食事の量だけでなくその内容にも気をつけることができるとよいですね。
【参考文献】
・眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話 藤田聡 監修 日本文芸社
・栄養の教科書(改定新版) 医学博士:中嶋洋子監修 新星出版社