日常の生活パターンやお仕事の状況など、様々な理由から食事の時間が確保できず、食べたい時間に食べられないことも間々ありますね。
特に22時~午前2時頃は脂肪合成が活発に行われる要注意の時間帯です!
今回は自分の生活リズムに合わせながら、健康維持につながる食事時間や食事内容について、事前にできる対策も含め、みていきましょう。
夜遅い食事が招いてしまう2つの問題
◎余分なエネルギーはどこへ行く?
一般的には夕食(夜中)を済ませた後は寝てしまうことがほとんどかと思います。
寝ている間は消費エネルギーが少なくなるので、消費されない余分なエネルギーが多くなりがちなのは容易に想像がつきますね。
余ったエネルギーは何かの時の予備エネルギーとして筋肉や肝臓、脂肪組織などにため込まれ・・・、つまりは、夜遅い食事の食べ過ぎが続いたりすると、おなかポッコリや脂肪肝などにつながりやすくなるのです。
◎翌朝への影響
夜遅い食事は睡眠時間も短くなりがちで胃の中のものが消化しきれず、翌朝に朝食を食べられないなんてことになりかねません。
朝食を食べることで午前中の体温があがり基礎代謝を上げています。
一方で「おなかが空かないから」と食べないでいると、体は飢餓の危機を感じて身体活動を低下させて(まるで「省エネモード」のように)エネルギーを脂肪に変えてため込みやすい体になってしまうのです。
3つのルールに注目 22時以降の食事対策!
「なし崩し的に夜遅く食べてしまった」を繰り返してしまうよりも、前もって準備することで体への負担は軽減できます!
「できるだけ早めの時間に食べる工夫」
「夜遅い食事の内容や量に配慮」
といった「何をいつ食べるか?」について予め考えて、夜遅い食事に備えることができるとよいでしょう。
まずは、「何を食べる?」の選択の基準となる3つのルールをご紹介いたします。
◎その1 温かいものをチョイス
みそ汁や野菜スープなどの温かい汁物は食事の満足度を上げ、食べ過ぎ防止にもなります。内臓を温めるので代謝アップにもつながります。温かい飲み物を飲むだけでも違いますね。
◎その2 消化がいいものをチョイス
食事内容によって胃の中での消化時間(=停滞時間)が異なってきます。
夜遅い食事は野菜をメインに、脂っこいものを避けた方が体への負担が少ないのです。
【消化時間の目安】
〇野菜類:約2時間
〇ご飯、うどん、食パンなどの炭水化物:3~5時間
〇肉や魚などのたんぱく質:4~5時間
〇バター、油脂(サラダ油や肉の脂)などの脂質:10時間以上
◎その3 量と時間のバランス
夕食後に血糖値が急激に上がるのを防ぐため、ご飯ものなどの炭水化物は量を減らして、腹6分目を意識しましょう。
また、できるだけ毎回同じ時間帯に食べることで、体の中のリズムが整い、脂肪がつきにくい体になります。
【おススメしたいメニューの具体例】
インスタントの汁物やコンビニを利用するのもお手軽です。納豆を夕食に食べると夕食後の血糖値の上昇を抑える働きがあるとも言われているので、ヘルシーなことも兼ねて頼れる存在ですね。肉や魚は脂の少ない部位を選ぶこともポイントです。
【注意したい料理/メニューの具体例】
中華料理は油で野菜に火を通すなど、典型的なアブラっこい料理。またラーメンやカルボナーラなどは糖と脂の太りやすいメニューの代表例と言えます。冷えたビールと唐揚げの組み合わせは脂(油)の負担とあわせて、冷えたビールが内臓を冷やすので、睡眠の質を下げ、体の調子を崩しやすくしてしまいます。
予定がわかっているなら、前もっての対策が安心です!
◎夜遅い食事になりそうな日の朝食は
朝食に炭水化物とたんぱく質をしっかり食べると、午前中の基礎代謝がアップ!加えて食物繊維をしっかり補給できるとさらに良いでしょう。
◎夜遅い食事になりそうな日の昼食は
夕食までにおなかが空いてしまわないよう(お菓子などの不必要な間食を食べたくなったりしないように)ここはしっかりと食べることがおススメです。
バランスのとれた定食スタイルがおススメですが、食べ過ぎたり、どんぶり物のような単品(炭水化物だけ)に偏ったりしなければ、比較的好きなものを食べて大丈夫です!
◎夜遅い食事になりそうな日の夕方にしておきたいこと
昼食と夜遅い食事の間は6時間以上空いてしまうこともあるかもしれません。
空腹時間が長すぎると活動エネルギーが不足して筋肉をエネルギーに変えてしまい、結果、基礎代謝の低下を招いてします。
夜の食事が遅くなることが分かっているのであれば、予め夕方におにぎりやサンドイッチなど小腹を満たせそうな炭水化物を適度に食べておきましょう。
活動エネルギーを補うとともに、夜遅くなった食事でドカ食いしてしまうことへの予防にもなりますね。
◎夜間勤務、交代勤務の際の食事の工夫
なるべく毎日の食事タイミングが大きく崩れないよう、起床後の1回目の食事を朝食として調整してみましょう。不規則な時間で欠食が生じないように1日3食を食べることが望ましいです。夜遅い食事の際の工夫にあるように、夕食の一部を夕刻に食べることで、その分、夜間遅い時刻の食事量を減らすという「分割食」も有効です。分割により夜間遅い時刻の食事量の割合を減らすことで、夜間の血糖上昇や肥満を避けるという考え方です。
勤務の状況にあわせ、分割によって食事回数を増やして、夜間の食事量の割合をコントロールすることも一案です。
まとめ
夜遅い食事になっても、できる対策をしてみることで、不安要素が減りそうですね。体の仕組みに抗わず、自分の生活スタイルに合わせたルールを見つけてみてください。
夜間勤務や交代勤務がある場合は、その時々に合わせて食事や就寝時間を決め、予めの対策をしてみましょう。
【参考文献】
・時間栄養学入門/柴田重信/講談社
・厚生労働省 「摂食のタイミング」/柴田重信
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000041889.pdf