肉食を適度に取り入れた和食ベースの食事スタイルが、内臓脂肪を蓄積しにくく、健康によい効果をもたらす、ということが知られるようになりました。
キーワードは「昭和の食事」。
比較的理想に近い栄養バランスのメニュー構成、それは、アラフィフ世代の子供時代、1975年(昭和50年)頃の献立にあると言われています!
「昭和ごはん」はどんなメニュー?1975年のとある1日の献立をレビュー
では、早速当時にさかのぼり、その頃の食事を再現して(想像して)みましょう!
【朝食】ご飯、サケ塩焼き、納豆、ほうれん草ともやしの味噌汁
【昼食】きつねうどん、漬物、果物
【夕食】ご飯、クリームシチュー、白菜と干しエビのお浸し、ひじきの和え物
いかがでしょうか?現代であれば、朝食はパン食であったり、お昼にパスタやラーメンであったりと、高カロリー・高脂質になる選択肢も多くありますね。
1970年代というと、高度経済成長期が過ぎ、食卓も豊かになって使われる食材の数が増えた頃。
1975年頃の食事がなぜ健康につながるのか、5つの視点からみていきましょう!
1975年型「昭和ごはん」、5つのポイント
1.程よく洋食
あくまでも和食が中心。クリームシチューのような洋食メニューでも、ご飯や和え物を組み合わせる場合も多く、完全な洋食になりにくいのがかえって良いところ。
メインのおかずは、焼き魚や煮魚が中心で、肉料理は時々食卓に並ぶ。ご飯と味噌汁は欠かせない存在として食卓をまとめます!
2.油少なめヘルシー調理法
「煮る」「蒸す」「和える」が多く、「揚げる」「炒める」は控えめ。油をあまり使わない調理方法が多いため、油分が少なく低カロリーであることが特徴といえます。
3.野菜、海藻、豆が主流!食物繊維が豊富な食材
大豆製品や魚介類、いも類、旬の野菜、旬の果物、海藻、きのこが中心で卵、乳製品、肉は控えめ。
脂質が少なく、ビタミンや食物繊維がたっぷりとれる野菜メインのおかずを中心とした献立です。
4.発酵食品と素材の味を活かしたやさしい味付け
納豆、豆腐、煮豆といった大豆製品、味噌汁や煮物に味噌やしょうゆといった発酵調味料を使っている。
だしや発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、酒)を上手く利用し、砂糖や塩の使用量を抑えたカラダにやさしい味付け。
発酵食品(調味料以外に納豆やぬか漬けなども含む)は、腸内環境を整え、免疫力を高める働きがありますね。
5.米飯+味噌汁を基本に、2〜3品プラスして色んな料理を少しずつ
主食(ご飯や麺類)、主菜(肉、魚、大豆製品)、副菜2品(野菜、海藻、きのこ類)に汁物を加えた一汁三菜という組み合わせが基本。
タンパク質、脂質、炭水化物のバランスが整いやすいのがグッド!
いつものゴハン、ちょい足し副菜で「理想のバランス」に近づけよう!
栄養が偏りがちな現代の食事、昭和ごはんのバランスを取り入れる第一歩は「副菜」にあり!
今よりもあと1〜2品ちょい足しして、理想の栄養バランスを目指しましょう。
そのまま食べられるものや市販のお惣菜、冷凍食品などを活用すると、簡単に足りない栄養素を補えますね!
お手軽に昭和テイストをちょい足しする、おススメ副菜5選!
「冷やっこ」でたんぱく質プラス
お好みで鰹節や小ネギなど薬味をのせてもよし!あっという間に良質なタンパク質がとれる頼れる一品です。
「枝豆」でビタミン・ミネラルを
冷凍枝豆を活用すれば解凍するだけ!栄養価が高く、容易にビタミンやミネラルをプラスできる優秀食材。
「きんぴらごぼう」は食物繊維の供給源!
食物繊維やビタミンが美味しくとれる魅力的な副菜。定番のおかずなので市販のお惣菜を活用するのも一つの手。
「酢の物」は手間いらずの一品
市販のもずく酢や味付きメカブは食物繊維やミネラルが豊富。1食分に小分けされていてサッと用意できるのも魅力です。
「お浸し」は応用のきく便利アイテム
定番のほうれん草以外にもアスパラやブロッコリーなど幅広い応用が可能。冷凍野菜を使えば、野菜補給がより簡単に。
まとめ
「昔ながらの和食」と言われると、現代では敷居が高く感じるかもしれません。
ですが、ごはんやお味噌汁をベースとして、ほどよく肉料理や洋食を組み合わせる食事であれば、そのバランスも考えやすくなるのではないでしょうか?
今だからこそ、昭和ごはんの良いところをとり入れ、生活習慣病のリスクをおさえて、将来の健康につながるような食生活を実践していきたいですね。
ただし、くれぐれも塩分のとり過ぎには気をつけましょう。
【参照文献】
健康的な日本食の健康有益性を検証 東北大学大学院農学研究科資料
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20160912_01web.pdf