悪者?どころか体の味方!炭水化物と糖質、それぞれの事情

食事編

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食事編

糖質制限ダイエットが一般的に認識されるようになりましたが、それと並行して「炭水化物、糖質」は悪者だ、というイメージがついているようにも感じます・・・。
本来必要なエネルギーを確保することなく間違ったイメージだけが先行してしまうと、ダイエット以前に体をこわしてしまうことにもなりかねません。
今回は炭水化物、糖質について、その違いについて触れながら、上手なとり入れ方や選び方などについてご紹介いたします。

体に必要だからこそ!きちんと食べましょう。

そもそも炭水化物と糖質は同じもの?

炭水化物と糖質が時として同じ意味合いで使われてしまっていることが、誤解を招いてしまっているのかもしれません。正確には、炭水化物と糖質は同じもの、イコールではないのです!

〇炭水化物とは
3大栄養素のひとつで、体を動かすエネルギーとして使われる、体にはなくてはならない栄養素。主食となる食品、ご飯やめん類、パン類、イモ類などに多く含まれます。
炭水化物=糖質(消化吸収されてエネルギー源になる)+食物繊維
というのが正確です。
※食物繊維は消化吸収されませんが、体の調子を整える重要な物質です。

〇糖質とは
炭水化物から食物繊維を除いた栄養素の総称で、主に体を維持するためのエネルギー源として働きます。糖質はさらに糖類や多糖類、糖アルコールなどに細かく分類されますが、特に砂糖ブドウ糖などに代表される糖類は食後の血糖値を急上昇させる「要注意」な存在です。

炭水化物の注意ポイントは? → 糖質の注意ポイントは?

このような構図を考えると、炭水化物は「食物繊維」が多く入ったものを選び、できるだけ「糖類」は避けるのがよさそう!というのがわかりますね。
「砂糖」や「ぶどう糖果糖液糖」などが多く含まれる甘い食べ物甘い飲み物は血糖値を上げやすく、その食べ過ぎが肥満を招く、という事実をしっかりと心得ておきましょう。

 

 

「炭水化物(糖質)」はそもそも体に必要な栄養なのです

炭水化物は体に欠かせないものなので、不足してしまうと、エネルギー不足による疲労感などが起こりやすくなります。特に糖質の不足によるデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

【糖質不足のリスク】

〇低血糖による頭痛や眠気、めまいなど
糖質は脳のエネルギー源なので、思考力の低下などにもつながります。
〇筋肉量が落ちる
糖質が不足してしまうと体を動かすエネルギー源がなくなって、今度は筋肉を分解してエネルギー源としてしまいます。さらに、体はエネルギー不足に危機感を持ち、省エネモードとなって体脂肪を蓄えてしまうのです。
〇間食を食べたい欲求が強くなる
エネルギー源となるものが体に入ってこないことで、体は「これはもしかして飢餓状態なのでは?」と勘違いし、手っ取り早く甘いお菓子やアブラの多いスナック菓子などを欲するようになってしまいます。

 

 

炭水化物(糖質)を上手にとり入れるための4つのポイント!

炭水化物(糖質)は体に必要なものなのだから「遠慮せずにどんどん食べよう」となってしまいそうですが、そこが要注意!炭水化物(糖質)の食べすぎはエネルギー過剰となって、肥満や生活習慣病につながってしまうのは変えようもない事実。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」
自分にあった距離感を見つけてみましょう。

1.組み合わせ

「糖質多め×脂質多め」という組み合わせはとにかく太りやすい組み合わせ!コクや旨味がたっぷり入った脂質は脳に快感をもたらすため、食べ過ぎる原因にもなります。
例:ラーメン、ハンバーガー、カルボナーラ、ピザなど

2.食べる順番

炭水化物はどうしても野菜や肉などに比べて、血糖値の上がりやすい栄養素です。野菜や海藻、きのこなどの食物繊維を先に食べて、できるだけ炭水化物を最後(カーボラスト)にするのが良いでしょう!

3.食べる量(主食の量)

1食の適量がわからない、という方は以下を参考に普段の食事を考えてみてください。

【1食当たりの目安量】
・ご飯 150g~200g
・食パン 6枚切り 1~2枚
・そうめん乾燥 80~100g(ゆでた量 200~270g)
・パスタ乾燥 70~100g(ゆでた量 180~250g)
・うどんやそば乾燥 70~90g(ゆでた量 180~230g)

※身長や年齢、活動量によって適量は異なってくるため、例えば仕事はデスクワーク、身長は普通という場合は1番少ない量を目安にしてください。

4.選び方

栄養バランスを考えると、雑穀や玄米、胚芽ブランなど、茶色い炭水化物を選ぶと良いでしょう。
ご飯なら雑穀やもち麦、玄米を、麺類ならそばや全粒粉パスタを、パンならば胚芽、雑穀などが混ぜ込んであるものを試してみましょう。

 

 

まとめ

「炭水化物(や糖質)は食べすぎても、食べなさ過ぎても健康を害してしまうもの」と覚えておくのがよさそうです。体に必要な栄養となる「炭水化物」は過度に避けるのではなく、健康維持のためにも自分なりの「適量」や「食べ方」を知って上手く活用するもの、と改めて覚えておきましょう!

【参考文献】
・厚労省 日本人のための食事摂取基準2020年
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
・e-ヘルスネット(厚生労働省)「炭水化物/糖質」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html

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