続かないのは何が悪い?「負の感情」を回避する、続けるための工夫

その他生活習慣編

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「始めたけれど、続かない・・・」ということを経験している方は少なくないのではないでしょうか。
体に良いと思って始めたウォーキング、ダイエット、一念発起して始めた資格取得の勉強、etc・・・。
気が付けば最初のやる気はすっかり影をひそめ、何も進んでない・・・というのも、ありがちな状況です。
さて、その時、皆さんは「続かなかった理由」をどう考えますか?
続けられない「自分」を責めてしまうその前に、なにが障壁となったのか?どこを変えれば続くのか?続けるための工夫に視点を変えて、整理してみましょう。

無理なく行動!始め方と続ける工夫

やるぞ!と思ってはいても続けられないのはどうして?

人にはもともと「いつもと変わらず、安心安全でいたい」という本能が備わっています。
本能的には新しく何かを始めようとする「変化」より「いつも通り」を強く求めてしまうのです。
「3日坊主」の主な原因がこれですね。

誰にとっても新しく始めようとする行動は苦痛、不安などの負の感情を伴うもの。
続けていきたい思いはあっても、最初の「面倒くさい」「やりたくない」といった「負の感情」を小さくする具体的な工夫がなければ、その行動が「自然なこと」になる前に投げ出してしまうことも無理はないのです。

 

 

継続を妨げる「負の感情」を小さくする工夫

最初に感じてしまう「負の感情」を抑え込むために、目標設定の仕方や始め方、上手くいかない時の対処など、いくつかの対処法をみていきましょう。
大きな段差(目標)をいきなり登るのではなく、そこまでの道のりを小さく刻んで、スモールステップの階段を上っていくイメージです。

1.最初のステップを「すごく小さく」考える

目標とする行動を「これならできる」というところまで小さく、細かく、簡単にしてみましょう。

◎具体的な回数、量、時間を抑えてみる
・1日に10回腹筋をする
・1日に5ページ読書をする
・1日に3分間掃除をする

◎とにかくやり易い内容から始める
・「ランニング」をするなら「ウォーキング」から
・「筋トレ」をするなら、テレビをみながら「ついでに軽く体を動かす」ことから
・「ダイエット」をするならまず「体重計にのる」ことから

やらずに先延ばししていると、やらない自分にかえって憂うつさを感じ、余計に行動しにくくなってしまいます。
こんなに少なくては意味がない・・・と思わず、始まりは行動をしたこと自体を「前進」と考えてみましょう。

2.「二極化思考」はやめて、複数プランで柔軟に

続けていくと、今日は調子がいい!という日もあれば、今日はちょっと・・・という日もあるのが当たり前です。
できるかできないか、やるかやらないか、のような両極端な考え方で進めると、できなかったときのダメージが、その後に続けていくときの大きな障壁となってしまいます。

そこで、実施するときには代替案や予備行動を考えて、目標に柔軟性を持たせるのもやり方のひとつです。

・理想の目標(プランA):調子が良かったら〇〇
・許容範囲の目標(プランB):調子が悪い時は××

その日の体調や環境で「今日はこっち」を選択してみましょう。

◎例えば「ボリューム」で
・プランA: 今日のウォーキングはちょっと長めの〇〇コースで頑張ってみる
・プランB: あまり調子がのらないので短めの××コースで止めておく
◎例えば「メニュー」で
・プランA:調子が良かったら10分ジョギングをする
・プランB:調子が悪い時は10分ウォーキングをする
◎例えば「環境」で
・プランA:天気が良かったら野外でウォーキングをする
・プランB:雨ならば家で筋トレをする

その時の自分に合わせて目標を柔軟に変化させていくことで、「できない」機会を減らせます。

たとえ今日できなかったとしても、また明日やればOK、7割くらいできていればそれでOK、といったように、予めゆとりをもって考えておくのも「継続」を生む秘訣と言えます。

 

 

3.やってみて、工夫して、変えていく

行動を継続するには「いつ、どこで、何を」というタイミングや実施内容の調整も大切。想像していたよりやりにくい(生活パターンにマッチしなかった)というのはよくあることです。例えば「1週間のお試し」で、まず実際にやってみて「合う、合わない」を判断し、調整していくのも良いでしょう。

◎いつやるか
×:集中できるかと思い、出勤前に勉強を始めたが夕方に眠くなって仕事にも支障が出てしまった
〇:寝る前に10分だけ本を読んだ方が意外と集中できた
◎どこでやるか
×:スポーツクラブに入会したが、思ったより活用できていない
〇:「スマホを見ながら」「椅子に座りながら」など、普段の生活に上手く運動を組み合わせたら、意外と続いている
◎何をやるか
×:しっかりと睡眠をとろうと、早めに布団に入ったが逆に眠れなくて焦りの方が強くなった
〇:寝る前に軽くストレッチをするようにしたら体がポカポカして眠りやすくなった

最初に決めたことが「絶対」ではありません。試行錯誤で工夫していけることも「続ける力」です。

 

 

まとめ

完璧な結果や高い目標を求めるほど、最初の行動が難しく、さらに続けていくことも苦しくなってしまいます。完璧な1回より「小さなこと」でも100回、200回と行動を積み重ねることで、体も気持ちも変わってきます。
大きな結果は後から付いてくるとして、まずは今日の小さな「できた」を大切に積み重ねましょう!

【参考文献】
・今日から使える認知行動療法/監修:福井至、貝谷久宜/ナツメ社
・GRITやり抜く力/アンジェラ・ダックワーズ著、神崎朗子訳/ダイヤモンド社

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