「食べたい」をコントロールするための、毎日を整える6つのヒント

食事編

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食事編

お腹が空いているわけではないのに、なんとなく食べてしまう。ストレスがたまると、つい甘い物に手が伸びてしまう。
「良くないな」と思いつつ、また食べてしまった…。
そんな、日常の中で生まれる「食べたい」という気持ちの仕組みを知って、食欲と上手に付き合う距離感を身につけていきましょう。

本当に空腹ですか?食欲コントロールのヒント

「食べたい」は2種類ある? 本能と記憶が生み出す食欲

私たちの食欲には、大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつは、生命を維持するために備わっている「本能的な食欲」。もうひとつは、過去の経験や感情に影響されて生まれる「記憶による食欲」です。

◎本能的な食欲とは

体が「エネルギーが足りない」「血糖値が下がっている」と感じた時に自然と起こる食欲です。お腹が鳴ったり、力が出ないような感覚があったりする時の「お腹が空いた」は、この本能的な食欲です。
これは体を維持するために欠かせない働きで、いわば本来の空腹とも言えます。

◎記憶による食欲とは

一方で、もうひとつの「記憶による食欲」は、過去の体験や感情と結びついた心の空腹から生まれます。
例えば、
・ストレスがたまると甘い物を食べたくなる
・夜のテレビを見ながら無意識にお菓子をつまむ
・「疲れた時はラーメン」といった習慣がついている

これらは、体が本当にエネルギーを必要としているわけではなく、「心が覚えている快感」や「習慣の記憶」に反応して起こる食欲です。特に甘い・脂っこい・香ばしいなどの「快楽を感じる食べ物」は、脳内でドーパミンを分泌し、「食べると気持ちいい」という記憶を強化してしまうのです。

食欲はストレスや疲れといった「感情の変化」がきっかけになって生まれることも多く、ついつい余分なカロリーをとってしまいます。
本来の「食べたい」を見極めることは、健康づくりの第一歩です。

 

 

「食べたい」をコントロールするための、毎日を整える6つのヒント

必要以上に「食べたい」という気持ちが生まれないよう、日常の行動から見直して、食欲コントロールを実践してみましょう。

1.「食べるタイミング」を整える(規則的な食事習慣)

食事の時間が不規則だと血糖値のバランスを乱し、「なんとなく食べたい」を誘発してしまいます。

【実践アイデア】
・普段の食事は、1日3食をバランスよく、間隔は4〜6時間を目安に
・夜遅く食べるより朝しっかり食べる
・間食は「毎日の決まり」というより「必要」と思った時だけに

【ポイント】
生活のリズムと食欲のリズムが一致するように過ごせると、余分な食欲が減っていきます。
 

2.「感情」と食欲の関係に気づく(ストレス食いを見抜く)

仕事や人間関係のストレスで「なんとなく」食べて解消したいと思う時もあります。
「本来の空腹」ではなく「心の満たされなさ」からくる反応です。

【実践アイデア】
・衝動的に食べたいと思ったら「今どんな気分?」と自分に一言聞いてみる
・食べる前に深呼吸を2回
・5分だけ散歩して気分転換してみる

【ポイント】
「食べることで気分を変える」から「行動で気分を変える」へ転換してみましょう。

 

 

3.「記録」して客観視する(食べた「状況」を見る)

「いつ・どんな気分で食べたか」を記録して、振り返ってみるのも食欲コントロールには有効です。

【実践アイデア】
・食べた時間と気分を一言メモ(アプリや手帳でOK)
・週末に見返してパターンを発見する

【ポイント】
自分の「つい食べるクセ」が見えると対策がしやすくなります。

 

4.食事の満足感を上げる(集中する)

同じ食事でも、食べることだけに集中できると、満足感は大きく変わります。

【実践アイデア】
・テレビやスマホをみながら食べるのをやめる
・お気に入りの食器を使ったりして、食事時間を楽しみ、ゆっくり食べる

【ポイント】
「ただ食べる」から「味わう食事」へ。食事の満足度が上がり、過食を防ぎます。
 

5.「運動」で動く快感を味わう

食べることで快感を得る脳の働きは、軽い運動でも同様に活性化します。
ウォーキングやストレッチなど手軽にできる運動を試してみましょう。

【実践アイデア】
・夕食前に10分の散歩をルーティンに
・食後のだらだらスマホ時間をストレッチに置き換え
・ストレスで食べたくなったらスクワットを数回してから、もう一度本当に食べたいか考える

【ポイント】
「食べる快感」を「動く快感」に置き換えることで、食欲を抑えてみましょう。
 

 

6.しっかりとした睡眠(疲労とストレスの解消)

睡眠が足りないと、脳内で食欲を強めるホルモンが増え、反対に食欲を抑えるホルモンが減ってしまいます。
また、ストレスを高め、脳が「手っ取り早く快感を得られる物=甘い物・脂っこい物」を求めるようになります。

【実践アイデア】
・入浴時は湯船に入ってリラックス
・寝る1時間前はスマホ・PCをオフにして脳を休ませる
・食事は寝る2時間前までに済ませ、胃腸に負担をかけない

【ポイント】
睡眠の質を上げると、食欲のブレーキが利きやすくなります。
 

 

まとめ

毎日の生活リズムを整え、ストレスや疲労を上手く解消することで余計な食欲と向き合わずに済みます。食欲と上手く付き合えるよう、日々の小さな工夫を積み重ねてみましょう。

 

【参考文献】
Newton別冊 やせる科学 健康的にやせるための科学知識/株式会社ニュートンプレス
なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか/岡嵜順子/講談社

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