ウォーキングを始めようと思っても、関節や筋肉が凝りかたまった状態では、ケガや疲労のもとです。
特にデスクワークで座っている時間が長い人や、運動不足の人だと、かたくなりがちなのが股関節やふくらはぎ。
スムーズで安定した「歩き」には、足首と股関節の連動した動きが不可欠です。
今回は、ウォーキングを快適に行うためのメンテナンスストレッチをご紹介いたします!
快適に歩くために
ウォーキング、その前にケアしておきたい筋肉と関節
足首は歩くときに地面からの衝撃を受け止め、体を安定させる働きを持ち、けり出す時にも重要な役割を持っています。
そして、足首の動きを制限する原因の一つはふくらはぎのかたさ。デスクワークで座り姿勢や、運動不足などが原因で、ふくらはぎの筋肉がかたくなっていると、足首の動きを悪くしている可能性があります。
さらに、「歩行は股関節から生まれる動作」と言われるように、股関節の動きも重要。
股関節回りの筋肉がかたくなると、足を踏み出す動きが根元から制限され、正しい足運びができません。
ウォーキングをスムーズに行うためにも、これらの部位のストレッチは念入りに行う方が良いでしょう。
ウォーキングとともに実践したい、メンテナンスストレッチ
それでは、実践編として股関節、ふくらはぎ、足首を中心に、可動域を広げ筋肉をほぐす方法をご紹介いたします。
◆股関節のストレッチ
1.お尻下部(大殿筋:だいでんきん)
大殿筋は主に足を後ろに振る働きを担います。
1.軽く曲げて座り、膝の裏側を両手で抱えます
2.背筋をまっすぐ伸ばし、胸を張りましょう
3.背筋を伸ばしたまま、体を前に倒してキープしましょう
2.お尻上部(大殿筋:だいでんきん)
1.膝を立てて座り、片方の足のすね辺りを膝の上にのせます
2.のせた方の足の持ちやすい部分を両手で持ち、できるだけ背筋を伸ばします
3.胸を張ったまま体を膝に近づけてキープしましょう
反対の足も同様に行いましょう。
※体を前に倒すのがきついと感じる場合は、足をのせたままキープするだけでも良いでしょう。
※大殿筋のストレッチは、背中が曲がると股関節が曲がらず、お尻の筋肉が伸びないため注意しましょう。
3.腸腰筋(ちょうようきん:下腹の深部にあるインナーマッスル)
腸腰筋は主に足を前に振り出す働きを担います。
1.うつぶせになり、片足の膝を曲げて横に外します
2.手で床を押しながら、上半身を起こしてキープしましょう
反対の足も同様に行いましょう。
※背筋を伸ばして股関節から起こしましょう。
※腰を痛める原因になるため、腰を反りすぎないよう注意しましょう。
4.太もも裏側(ハムストリング)
太もも裏側(ハムストリング)主に足を後ろに振る働きを担います。
1.両足を伸ばして座り、手は膝の上に置きます
2.背筋を伸ばしたまま、お腹を足に近づけるイメージで、上体を倒してキープしましょう
※背中が丸まらないよう、膝はなるべく伸ばした状態で行いましょう。
◆ふくらはぎ(腓腹筋とヒラメ筋)のストレッチ
1.ヒフク筋(ふくらはぎの表層)
1.足を少し広めに前後に開きます
2.前足に重心をのせて、後ろ足の膝を伸ばしましょう
反対の足も同様に行いましょう。
2.ヒラメ筋(ふくらはぎの深部)
1.片膝を立てて床に座り、立てた方の膝に両腕をのせます
2.曲げた膝に体重をかけてキープしましょう
反対の足も同様に行いましょう。
※曲げた方の足のかかとが浮かないように注意しましょう。
◆足首・足裏のストレッチ
1.すね(前脛骨筋:ぜんけいこつきん)
すねの前にある筋肉です。主に足首を曲げる働きを担います。
1.イスに座り、右足を左足の膝にのせます
2.右手で曲げた方の膝を押さえて固定し、左手で右足のつま先を包むように持ちます
3.つま先を手前に引いてキープしましょう
左足も同様に行いましょう。
2.足裏(足底筋群:そくていきんぐん)
足裏にある筋肉の総称で、主に土踏まずなどのアーチを保つ働きを担います。
1.イスに座り、右足を膝にのせます
2.右手でつま先、左手でかかとを持ち、足首と指先を曲げて足の裏を伸ばし、キープしましょう
左足も同様に行いましょう。
まとめ
ウォーキングは、日常の歩くという動作の延長だけに、何も準備しないまま始めてしまうこともあるかもしれません。
快適に長くウォーキングを楽しんでいくためにも、歩く動作に関わる筋肉や関節のメンテナンスは大切です。
是非、足のメンテナンスストレッチを取り入れてみてくださいね。
【参照文献】
ストレッチメソッド(谷本道哉・石井直方著) 高橋書店