疲れた時は何を飲む?知っておきたい栄養ドリンクのメリット、デメリット

食事編

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食事編

今すぐこの疲れをなんとかしたい!という緊急事態には心強い栄養ドリンク。
忙しい時間を過ごす私たちには、手軽に用いることができるのが大きな魅力ですね。
ところが、便利な反面、用法には気を付けなければいけない点もあります。
今回はそんな疲労回復ドリンクの選び方や注意点についてお伝えします。

カラダに優しい!ドリンクの上手な用い方

疲労回復、リフレッシュしたい、そんなときはこんな成分に注目!


売り場には様々な成分を含んだ栄養ドリンクが並んでいますね。
ドリンク選びの参考として、今回は特によく目にする5つの成分について取り上げてみましょう。

1.クエン酸

ドリンク類の成分としては目にする頻度も高いクエン酸。レモンの酸味、と言えばわかりやすいですね。疲労回復や食欲増進に加え、ミネラルの吸収を手助けするなど、夏バテ予防にもよく活用されています。

2.ビタミンB群

糖質などからエネルギーを作り出すサポートをするのがビタミンB群。不足するとエネルギーが上手く作れなくなるため、疲れやすくなってしまいます。お酒を飲む人、甘いものが好きな人、ストレスの多い人は、常に不足する傾向があり、注意が必要です。B1,B2,をはじめ様々な種類があり、お互いに協力して働くビタミンなので、B群という形で広くとり入れられるとよいですね。

3.ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用や免疫力向上に大切なビタミンです。体内では作る事ができず、ストレスが多い人は失われやすいので、意識してとり入れましょう。

4.コエンザイムQ10

細胞のエネルギーづくりを助ける酵素で、年齢と共に減っていくと言われています。減ってくるとエネルギー不足による、疲れやすさを引き起こすと言われています。

5.タウリン

こちらもドリンク成分として耳にする機会も多いのではないでしょうか。「タウリン」は肝臓の解毒作用を強化する働きがあります。お酒の飲みすぎでちょっと肝臓が疲れているかな、という時に活用しましょう。

【参考】 疲れた体に優しい栄養ドリンクとその成分の一例
お酢ドリンク:クエン酸など ※甘いものには注意
無調整豆乳:ビタミンB1など ※甘い豆乳(調整豆乳)は注意
無塩の100%トマトジュース:クエン酸やリコピンなど
緑茶、ハーブティー:ビタミンCなど
※いずれも過度な期待をしての過剰な飲み過ぎは、下痢などの不快症状を起こす場合があるため注意しましょう。

 

 

栄養ドリンクのメリットとデメリット

疲れた体に栄養ドリンク。
価格も様々で手軽に用いることができるのがそのメリットですが、便利に使える反面、多用すると体に良くない状況を招いてしまう恐れもあります。
疲労の原因は何といっても体のエネルギー不足
体を正常に働かせる栄養(材料)がないのに、無理やり興奮作用が強くなるカフェインなどを大量にとって体を動かし続けても、結局はガス欠を起こしてしまいます。
また、栄養ドリンクに含まれる栄養素自体、速やかに吸収できるよう加工されているものも多いので、肝臓腎臓に負担がかかってしまうことも心配です。
疲労回復のために飲んだのに、かえって体に負担がかかってしまっては本末転倒です。
あくまでも一時的な対処策として考えましょう。

【参考】 特に注意したいドリンク類
エナジードリンク類
高濃度のカフェインが入っているため、興奮作用が強く作用し、不眠や自律神経の乱れの原因になってしまうこともあります。
糖分が多いスポーツ飲料やビタミン飲料
ビタミン、ミネラルが入っていても、含まれる糖分の多さから血糖値の急激な上昇を招き、余計に疲労が出やすい体質をつくってしまいます。

 

 

やはり毎日の生活の見直しこそが疲労回復の基本!

急場をしのぐためにドリンクを活用するのは一つのやり方ですが、普段から食生活に気を付けることも大切です。「最近疲れているな」と感じたら、次の3つの点をもう一度見直してみましょう。

その1:甘いものの食べ過ぎ

甘い物を食べると、元気になったような気になりますが、それは急激に血糖値が上がったから。食べ過ぎると糖質をエネルギーに変えるビタミンB1などの消費が多くなるため、かえって上手くエネルギーを作れない体になって「疲労」のもととなってしまいます。食べ過ぎには注意しましょう。

その2:ビタミン・ミネラル不足

ビタミンやミネラルは健康づくりの名わき役、とも言える存在。不足してしまうと、上手くエネルギーの変換が行われず、疲れやすい体になってしまいます。例えば、丼もの、麺類だけ、おかずだけ、のような偏ったメニューは、ビタミンやミネラル不足を招くもと。小鉢やサラダなど品数はなるべく増やしてバランスのよい食事を意識しましょう。

その3:運動不足や睡眠不足

適度な有酸素運動は、体の血流を良くして不要な老廃物を外に出し、体内でエネルギーがスムーズに生み出されるようになるので、結果として疲労回復につながると言われています。そして睡眠は体内の修復や回復、脳の休息に欠かせません。日常的な運動はもちろん、より良い睡眠を得るためにも、寝る前の飲酒やカフェインのとりすぎなどにも気を配りたいですね。

 

 

まとめ

疲労回復にドリンクを用いることで、一時的にその疲労からは逃れることができるかもしれません。
一方で、体に負担がかかり、翌日さらにつらくなってしまう、というようなことも心配されます。ドリンクはできるだけ本当に困った時ここぞという場面で上手く活用することにして、合わせて食生活の見直しにも目を向けられるとよいでしょう。

【参考文献】
・改定新版栄養の教科書/中嶋洋子監修/新星出版社
・最新改訂版栄養成分バイブル/中村丁次監修/主婦と生活社
・新・栄養医学ガイドブック/柏崎良子/株式会社ヨーゼフ

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