気にしているのに結果が出ない。
流行のダイエットに踊らされて、リバウンド・・・。
そんな経験を持つ方には是非知っておいて欲しい「ダイエットの誤解」について、数々の保健指導に携わる管理栄養士さんにお聞きしました。
ダイエットで本当に大切なことは何なのでしょうか。
5つの事例をもとに、改めて「ダイエットの本質」を確認してみましょう。
ダイエットの思い込み。「それ、実は誤解です!」
管理栄養士さんに聞いたよくある誤解 その1
「食べるから太る」
→「正しく食べないと太る」
「太るから、朝食や昼食を抜いて体重をコントロールしている、という内臓脂肪たっぷりの方がいらっしゃいました。食事を抜いて空腹極まる状態でドカ食いしてしまったら内臓脂肪がつかない訳がない!・・・のです。
食べない時間が空きすぎると、その反動で次の食事の吸収がよくなってしまい、努力の割に脂肪がつきやすいという、気持ちにもカラダにも効率が悪い食生活に陥ってしまいます。」
管理栄養士さんに聞いたよくある誤解 その2
「食べる量を減らせばやせられる」
→「量よりバランスが大事」
「90歳、100歳と長生きする人は実はしっかり食べている人が多く、ちゃんと米飯も食べています。肉や魚などの大きなおかず(タンパク質)をとりすぎることなく、野菜の小鉢が2~3品で腹八分目というのがその秘訣のようです。
体重ばかりに目がいって、食べる量を減らしすぎると、体調を崩しやすくなりますよ・・・。」
管理栄養士さんに聞いたよくある誤解 その3
「低カロリーのものだけ食べればやせられる」
→「カロリーより、食物繊維やタンパク質に注目」
「こんにゃく麺など低カロリーと表示のあるものだけ頑張って食べているという、顔色のよくない人を知っています。
もちろん、体重は減るのですが、その後には、高確率で食欲が爆発してリバウンドするか、体調を崩して元の食事に戻ってリバウンドしてしまうことが予想されます。(結局どちらもリバウンドです・・・)しかも、体重が元に戻るだけでなく、内臓脂肪たっぷり!という余計なおまけがついてきてしまうことも。
ダイエットは目先の体重よりも1か月、3か月、1年のような長いスパンでみていきましょう。」
管理栄養士さんに聞いたよくある誤解 その4
「大好きなラーメンや甘い物は絶対我慢しないとやせない」
→「食べ方の工夫次第で十分に楽しめます」
「大好きなラーメンや甘い物を食べなければやせられると分かっているが、「食べたい!!」という欲求が爆発して、結局、暴飲暴食…という経験は誰でもあるのではないでしょうか。
食欲を敵に回してはいけません。
食べたい思いをねじ伏せてダイエットの苦行を続けても、いつか食欲が暴走してしまう、それは人間の本能だからです。」
管理栄養士さんに聞いたよくある誤解 その5
「運動さえすればやせる」
→「運動も大事ですが、食事とのバランスには要注意!」
「『お酒を毎日飲むために毎日10km走っている』というストイックな方がいらっしゃいました。
そして、走りすぎて膝を痛め、それでもお酒はいつものペースで過ごした結果、あっという間に8kg増えたというお話でした。
また、運動は頑張るけど食事は気にしていないという方の中には、糖質やアミノ酸(タンパク質)など必要なエネルギーが十分でない状態で運動を行ったことで、逆に筋肉を減らしているというケースもあります。
特にBMIが30以上の人は、膝に負担がかかるので、まずは食事で体重を減らすことに重点を置き、軽めのウォーキングから始めるのがよいでしょう。」
※BMI: 体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数。25以上の場合が肥満に分類されます。
まとめ
ダイエットとは「少しの食生活改善」の積み重ねが「体質改善」につながり、体重が落ちて健康的になっていくことです。
「1週間で〇kg痩せました!」というような過大な情報に踊らされてしまわないよう、「ダイエットの本質」を押さえてこそ、その努力も活きてくるということを知っておいてくださいね。
例えば「1年後の新しい自分」を目指して、今日から一歩を踏み出してみましょう!
【参考文献】
最強のやせ方/岸村康代/東洋経済新報社
保健指導リソースガイド 特定保健指導
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011437.php